あらすじとネタバレ感想
すくすく成長しているヒュッレムの子供達。
第二皇子のメフメト
第一皇女のミフリマー
第三皇子のセリム
(第一皇子はギュルバハルの皇子ムスタファ)
聡明な兄と姉とは違い、セリムは少しのんびりした性格をしているが、周りはメフメトが王位を継ぐものと思っているので、セリムは周りに甘やかされて育っていた。
そんなセリムを見て不安に感じるヒュッレム。イブラヒムは、スレイマンの陛下の実子であると確証が持てないメフメトを王位には付けたがらず、セリムを次期の皇帝に、と考えている。
子供達はみんな純粋で素直な性格に育っているので、メフメトが大きくなって、自分の母(ヒュッレム)の後見人であるイブラヒムが自分に王位について欲しくない、と思っていることを知った時を考えると辛いです。
新しい皇帝が王位につく時、皇帝になれなかった皇子たちが殺されてしまう慣習をどうにかしたいヒュッレムはのんびりした性格のセリムが心配な様子。
後宮を変えるため、ヒュッレムは動き出します。
ハディージェ(スレイマン陛下の妹で皇女)に誘われて訪問したガラタ地区で、一緒に奴隷として攫われてきたオリガと再開します。
オリガは買われた家の主人に飽きられ、売られ、その後何度か売られるウチに病気になり捨てられて、最下層の娼婦としてガラタ地区で暮らしていました。
オリガのすっかりやつれた姿を見て、ヒュッレムは自分がいかに幸運であったかに気づきます。
自分の幸運を何かの形で返したい…。
ガラタ地区から帰ったヒュッレムは、寄進財団を設立し、救貧院を建てたいと考えるようになります。
寄進財団を設立するためには、寄進財団庁の長官の許可が必要で、現在の長官はイブラヒムです。
欧州に遠征中のスレイマン陛下とイブラヒムにそのことを願い出る書簡を送りますが、イブラヒムはそれを認めません。
メフメトを王位につけたくないイブラヒムは、セリムがもう少し大きくなり、王位につくに値する人物であるかを見極める前にヒュッレムに母后並みの権力を持たせたくないと考えていたからです。
12巻では、スレイマン陛下がハンガリーを落とすところまでが描かれておりますが、スレイマン陛下を尊敬してやまないイブラヒムの「スレイマンの実子の可能性が僅かでもない皇子を認められない!」と言う悲痛な思いで締めくくられています。