12巻では、即位後3回目の遠征でスレイマン陛下がハンガリーを落としたところまででした。
夢の雫、黄金の鳥籠、13巻・ネタバレ感想です!
遠征が終わって、イスタンブルに戻ってきたスレイマン陛下。
ヒュッレムとの間に新しく生まれた第4皇子「バヤジット」と対面します。
スレイマン陛下の凱旋に喜ぶ子供たちでしたが、一人おどおどと近ずいて声をかけるセリムに対し、スレイマン陛下は「セリム、もう少し大きな声を出さなければ、戦場で指揮はできないぞ。」と声をかけるのでした。
遅れてイスタンブルに戻ってきたイブラヒム
一方で、イブラヒムは、しばらくの間ハンガリーに駐留しており、スレイマン陛下から遅れて年末にイスタンブルに戻ります。そこで、ヒュッレムが、イブラヒムが反対していたワクフ(寄進財団)を設立したことを知ると、怒り、ヒュッレムに会いに行きます。
※ヒュッレムは、12巻で訪れたガラタという地区で、昔の友人に偶然再会し、自分がいかに恵まれた境遇にいたかに気づきました。ガラタ地区から帰ったヒュッレムは、寄進財団を設立し、救貧院を建てたいと考えるようになったが、イブラヒムは、ヒュッレムが今力を持つことに反対していました。(第二皇子であり、ヒュッレムの長男メフメトを帝位につけたくないイブラヒムは第三皇子のセリムが王位につくに値するか判断できるまでは、ヒュッレムに皇后並みの力を持たせたくないと考えている。)
イブラヒムはヒュッレムの後見人であり、ヒュッレムのことをすごく大事に思っていますが、それ以上に、スレイマン陛下が大事であるため、もしヒュッレムが力をつけて、スレイマン陛下の本当の子供でない可能性のあるメフメトが帝位につくことがどうしても許せないのです。
ヒュッレムを叱責するため、ハレムを訪ねるイブラヒムですが、その訪問を断るヒュッレム。ハレムで自分の子供を守るため、ヒュッレムも引きません。
親の心を知らない子供達は
そんな親たちの戦いとは違い、子供達はすくすく素直に育っています。第一皇子のムスタファ殿下と第二皇子のメフメト殿下は、たくましく育っており、どちらが王位についても安泰だと安心する兵士たち。一方で、第三皇子のセリムはどこか頼りない様子。
メフメトは、兄であるムスタファ殿下を尊敬しつつ、オスマン帝国の、「帝位についた者が他の兄弟を殺す」という慣習を気にしており、ムスタファもそのように考えているのであれば、自分が帝位につきたいが、そうでないのであれば、ムスタファに帝位についてもらい、自分はムスタファを支えたいとムスタファに打ち明けます。
ムスタファは、自分はそのように考えてはいないが、自分の母親(キュルバハル)は自分が帝位につけば、間違いなく兄弟を殺すだろうと考えており、それを防ぐためにも、メフメトに帝位について欲しいと告げるのでした。
まだ11歳〜13歳くらいでしょうか。二人とも素直でまっすぐ育っています。あー、最後までこの感じで行って欲しい!!ムスタファはあの母親の元で生まれていながらいい子に育ったものです。。子供の頃に、ヒュッレムについて図書館に行ったり、ヒュッレムと接することも多かったからでしょうか。
ヒュッレム VS イブラヒム
さて、ヒュッレムへの面会を断られたイブラヒムですが、そんなことでは諦めません。w
ヒュッレムの建てた慈善施設に商人の名を名乗って不意打ちで現れます。
財団を設立し、権力を持とうとするヒュッレム怒るイブラヒム。
自分がやっていることは、メフメトを守るためだと主張するヒュッレム。メフメトを否定するイブラヒムから守るため、権力を持つのだと主張します。
そんなヒュッレムに、「メフメト殿下は誰の子か?」とイブラヒムは問いかけます。
きゃー!そんな大きな声で、そんなことを言ってはいけないよ。隣にいたシャフィークも困っているじゃないですか!!というか、父親かもしれないイブラヒムからそんなこと言われたくないーーーー!
かっとなったヒュッレムは「メフメトは私の子です!!!!!!!」とその場を飛び出します。
万一メフメトが自分の子である場合に、どうしても帝位につけたくない(からヒュッレムに力を持って欲しくない)イブラヒムと、メフメトをなんとしても守りたいヒュッレムはどんどんすれ違っていきます。
かつては愛し合った仲なのに、すでに二人の間には溝ができてしまっていますね。ヒュッレムも子供ができてからは愛した人よりも子供を第一に行動しています。優先順位が、スレイマン陛下なイブラヒムと、自分の子供であるヒュッレムの利害が対立し、どんどんすれ違って行くのが切ないです。
第一皇子のムスタファ殿下が帝位について、自分の母親をうまくコントロールできれば全てが上手くいく気もしますが、あの母親(キュルバハル)が黙っていないか…。。他の皇子たちが殺されてしまうよね。。でも明らかにセリムは皇帝の器でもないし。
てか、スレイマン陛下、気づいてないのかなー。もう少しして、イブラヒムがセリムを推し始めたら気づくかな。
実は全部気づいているけど、実力主義派な陛下は、気にもしていないのかもしれない。オスマン帝国が大きくなるためなら、側室がだれかと通じてようが、自分の子供でなくても優秀だったらいいとか思っているのかな、、
ヒュッレムの反抗
さて、敵認定したイブラヒムを遠ざけるため、ヒュッレムはスレイマン陛下にイブラヒムを遠征(東アナドル)にやるようお願いします。
そのお願いを受け入れるスレイマン陛下ですが、陛下にもOKをした裏がありました。
広がり続ける帝国を一人で治めるのが難しくなっているため、陛下と同等の権限を持った者が遠征を行う必要があり、その役目をイブラヒムに任せたいとの考えから、今回の遠征をそのシミュレーションにしたいと考えたのでした。(なので、素直にヒュッレムの願いを聞いたというよりはそもそもそのつもりだった、という感じでしょうか。)
周りは、ヒュッレムが寵姫だから、後見人であるイブラヒムを出世させるための願いを皇帝が聞き入れた、と受け入れられていますが、実際はイブラヒムをどこかにやりたいヒュッレムと、イブラヒムを自分の分身としたい陛下の思いが合致した、というところでしょうか。
そんな遠征ですが、ギュルバハルは、自分の息子、ムスタファを連れて行って欲しい、と陛下にお願いします。許可を出す、陛下、ついでに第二皇子のメフメトにも同行を許可します。(母親であるヒュッレムの気持ちも知らないメフメトが行きたいとか言っちゃうから。w)
イブラヒムを遠ざけようと考えていたヒュッレムでしたが、メフメトがイブラヒムと一緒に遠征に行くことになり、裏目に出てしまいました。帝位につけたくないとは思っていても、流石にイブラヒムがメフメトを傷つけたりはしないと信じているが…。と不安な気持ちで送り出します。
戦場での皇子たちの活躍…そして
2人の皇子は初陣を飾りますが、戦場でも立派に活躍します。
その2人の姿を見たイブラヒムは、ムスタファ殿下にスレイマン陛下の面影を感じるとともに、メフメト殿下は自分に似ているのではないかとの思いに駆られます。
やはり、、メフメト殿下は自分の息子なのでは…!!という思いを強くして凱旋するイブラヒム。
凱旋後、どちらの皇子が皇帝に相応しかったか?と陛下に聞かれ、イブラヒムは「ムスタファ殿下」であると答えます。
宮廷に激震が走ります。ヒュッレムの後継人である、イブラヒムであれば、当然、ヒュッレムの息子であるメフメトを推すと誰もが考えていたからです。そんなイブラヒムが、ギュルバハルの息子であるムスタファ殿下を推薦した、と聞いたヒュッレムは…!!!?
という感じで次巻です。
最早少女漫画ではなく、歴史漫画ですね。13巻まできても今だにスレイマン陛下の本当の心が分からない。いや、帝国を広めること以外に別に興味はないのか?
ヒュッレムとイブラヒムにはくっついて欲しいと思っているのだけれども、ここまできたらもうそれはないのかな…。14巻、楽しみに待ちます!!